今日は『こころを洗う技術 / 第1章 ムダな心を止める』読んで得た学びをご紹介します。
「なぜ、また怒ってしまったんだろう…」
「いつも似たようなことでイライラしている自分がいる…」
「このままで人生がいい方向に向かっていくわけがない…」
こんな思いを抱えていませんか?
実は、これらの苦しみには明確な理由があります。著者によるとそれは、心がクリーンでないことが原因なのだそうです。
快適に生きるためには、まず心をクリーンにしなければならず、そのための技術を詳しい手順とともに紹介しているのがこの本です。
なぜ私たちは苦しみから抜け出せないのか
私たちは日々、様々な出来事に反応し続けています。
同僚の何気ない一言に腹を立て、過去の失敗を思い出しては後悔し、未来の不安に囚われて眠れない夜を過ごす——。
しかし、これらの苦しみには共通点があります。
それは、すべてが「心の反応」だということ。
そして重要なのは、この反応は止めることができるということです。
クリーンな心を手に入れるための第一歩。
それは「ムダな反応を止める」ことから始まります。
イライラや、モヤモヤと考え続ける思考を止めて、落ち着きを取り戻す。
そのためには、まず心が動くプロセスを理解する必要があります。
心の苦しみの正体:反応のメカニズム
心の苦しみは、実は4つの段階を経て生まれます。(本書の中ではこれの前に”意識”があることを前提に5段階で表現されています)
このプロセスをまずはきちんと理解することで、心が反応したときに「止める」ことが可能になっていきます。
- 刺激に触れる:光や音など、体の感覚器官に触れて外界からの刺激を受け取る瞬間
- 反応する:その刺激に反応して、感情や思考が生まれる
- 結生する:反応が強ければ強いほど、衝動や欲求が生まれ記憶にも刻まれる
- 執着する:結生が持続すること
人間の心はこのプロセスを経て「苦しみ」にたどり着くのだそうです。
反応の数が多く、結生のレベルが強いほど、執着の量が増えていきます。
結果的に多くの人が日々イライラやモヤモヤを抱えて生きており、これが人間の日常であり人生であると、著者は言います。
そしてこの苦しみのもととなる”反応の種類”は、以下の三つに集約されます。
- 貪欲:欲求が強すぎる状態
- 怒り:不快を感じている状態
- 妄想:アタマにノイズとして言葉や音、映像が漂っている状態
人間の悩みを作っているのは、実はたったこの三つの反応(”三毒”)なのです。複雑に見える悩みも、最終的にはこの三つに収斂されていきます。
特に注目すべきは「妄想」です。実は、貪欲も怒りも、すべては妄想から生まれているのです。
妄想が欲求を作り出し、現状に満足できなくなる。妄想が慢を作り出し、人と比べたり見下すようになる。妄想が過去を連れてきて、後悔に囚われる。
私たちの多くの苦しみは、実際には起きていないことに対する反応なのです。
さらに、これらの三毒に加えて「慢(おごり)」にも注意が必要です。慢は「自分は正しい」という、承認欲求が生み出す自分に都合のいい妄想のことです。
だからこそ、真っ先に取り組むべきは、この妄想を消すことなのです。
心がこれに反応してしまうことを”止める”ことの重要性が、この章では書かれています。
明日から始める「ラベリング」という処方箋
では、どうすれば心の反応を止められるのでしょうか?
その答えが「ラベリング」という手法です。
ラベリングとは、今の自分の状態を言葉で確認すること。
言葉を使って、客観的に自分の状態を確かめる作業です。
たったこれだけのシンプルな方法が、心の苦しみを止める特効薬となります。
具体的な実践方法:
- まずは5分間、自分の行動を声に出して確認する
- 「私は椅子に座っています」
- 「私は呼吸をしています」
- 「私はペンを持っています」
- この作業を、沈黙を挟まずにチャレンジしてみましょう
- 慣れてきたら、心の動きにも適用する
- 「私は怒りを感じています」
- 「私は不安を感じています」
- 「私は妄想をしています」
- 心の動きを言葉で確認することで、反応を止めることができます
このように、心の動きを言葉にして確認するだけで、反応の連鎖は止まり始めます。
今後、悩みを抱えたときは、その心の状態を三毒のどれかにラベリングして、「気づいて減らそう」と考えてみましょう。
そうすれば、確実に反応は止まっていきます。
さいごに
「心を止める」というと、難しく感じるかもしれません。
しかし、まずは5分間、自分の行動を声に出して確認することから始めてみましょう。
それが、クリーンな心を手に入れるための第一歩となるはずです。
この実践は、心を持つ私たちが一生かけて身につけていくべきものです。
なんども実践を重ねることで、少しずつ「心の土台」を固めていくことができます。
今日から、あなたも一緒に始めてみませんか?
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