PERとPBRは、株式投資において企業価値を評価する際の基本的な指標です。
これらは投資の際に銘柄の割安性を表す指標、つまりその株が買い時であるかどうかを表す指標です。
たとえ優良な銘柄でも、個別株に投資する以上ある程度買い時を見定める必要はあります。
これらの指標について詳しく解説し、投資判断への活用方法をまとめておきます。
PERとは
PERとは Price Earnings Ratio の略で、株価収益率のことです。
「株価が1株当たりの利益(EPS)の何倍になっているか」を示す指標です。
計算式は以下で表せます。
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
EPSについての記事はこちら👉
PERが低いほど利益に対して株価が割安であり、高いほど利益に対して株価が割高であると考えることができます。
投資の際の一般的な評価基準としては、以下のように判断されます。
- PERが10以下であれば割安
- PERが10から20の間であれば適正の範囲内
- PERが20以上であれば割高
ただしこれはあくまで目安であり、業種や企業の成長性によって適正なPERは大きく異なります。
注意点としては、成長企業の場合は高いPERでも正当化される場合があるということと、赤字企業のPERは計算することができないということです。
PBRとは
PBRとは Price Book-value Ratio の略で、株価自己資本倍率のことです。
「株価が1株当たり自己資本(BPS)の何倍か」を示す指標です。
計算式は以下です。
PBR = 株価 ÷ 1株当たり自己資本(BPS)
BPSについての記事はこちら👉
企業の自己資本に対する株価の割高・割安を判断する指標であり、一般的に低いPBRは割安、高いPBRは割高とされます。
投資の際の一般的な評価基準としては、以下のように判断されます。
- PBR < 1:割安
- PBR = 1:適正
- PBR > 1:割高
こちらもPERと同様に業種や収益性によって判断のしきい値は異なる性質があり、高収益企業は高PBRでも正当化される場合があります。また、債務超過企業のPBRは意味を持ちません。
投資判断にどう活用するか
投資するかどうかの判断には、以下のような観点で活用することができます。
- 同業他社との比較
- 過去の自社の値との比較
- 成長性や収益性と合わせた判断
- 業種特性の考慮
他者との比較においては、ライバル企業のPERやPBRを比較することで、業界内での相対的な割安・割高を判断できます。
また、その企業自体の過去のPERやPBRと比較することで、現在の株価水準を評価することもできます。
注意点としては、製造業と金融業では適正なPBRが大きく異なるなど、業種特性を考慮する必要があります。
製造業のPBRは一般的に1倍前後または1倍をやや上回る程度が「適正」とされることが多く、金融業のPBRは1倍を下回ることも多く、0.5〜1倍程度の範囲で「適正」とされることがあります。
さらにPERやPBRだけでなく、売上高成長率やROE(自己資本利益率)などと合わせて総合的に判断することが重要です。
これらを踏まえて、総合的な判断で投資を行なっていく必要があります。
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